2006年02月27日

小さな政府について

今回は、ちょっとまじめモードです。

自民党の「小さな政府」に対して、民主党の「効率的で人に暖かい政府」ってのがありますね。

僕個人の意見としては、小さな政府に賛成です。

「おいおい、昨日公務員を減らすなって言ったばっかじゃないか!」って言われそうですが、まじめな話、小さな政府以外ないと思ってます。

これは、公務員として6年以上働いた経験から書かせていただくのですが、非営利組織を効率的に運営するのは非常に難しいということです。

僕は、公務員の中で、明らかに機能不全に陥っている部署も見てきましたし、完全に戦力外の人も結構見ました。

他方、死ぬほど働いて、とても貢献している人もいますし、そのような人ばかりで構成されたとても大事な部署も多いです。

さて、問題は、この状況を変えるのがとても難しいということです。


まず、なぜ戦力外の人が生まれるのか、と言う問題ですが、ひとつには、貢献度が給料や昇進に正確に反映されにくいということが挙げられます。

確かに、警察組織などは、過度に能力主義な組織となっていますが、一般的な官庁の場合、その貢献度は中々正確には測れません。政策評価制度というものもありますが、実効性についてはかなり疑問です。

それは簡単な話で、企業においては総務部門を除き、その成果が利益という形で測れるのに対し、非営利組織においては利益で測れない部分が多いからです。

そうなってくると、それぞれの職員がどれだけ貢献してくれたのかを正確に測ることは難しくなってきます。努力が昇進などに反映されないのであれば、職員のモチベーションがあがる訳がありません。

さらに、これはもっと重要なことですが、公務員は基本的に首(レイオフ)がありません。よっぽどの不祥事を起こさない限り、クビになることはないわけです。

ということは、じゃあ、だらだらやったろか、という人が一部に出てきます。特に仕事に不満がある場合は、そうなってきます。

さらにさらにですね。多くの部署では慢性的に人材不足です。以前の記事にも書いたように、労働時間はとても長いですし、超勤手当ては、財務省の主計局のように殆ど付くところも稀にありますが、一般的には低く、2割程度のところもあります。

そんな中で、死ぬんじゃないかと思われるほど働かされると、何割かは、潰れます。精神的におかしくなる人もいます。

そして、悲しいことに戦力外の人になってしまいます。

これは本人を責める訳にはいきません。そうしたのは、官庁という組織であり、その人事であり、上司です。

そういう訳で、どうにも使えない人材が貯まってきます。そして、その人達を、どこかに配属せざるを得ませんし、その部署は必然的に麻痺します。

或いは、どうでもいい部署をつくって対処することによって、その他の職員のカバーする仕事が増え、さらに負担が増大することになります。

要するに、ひどい状況であるということです。


さて、これを民主党の主張する効率的で人に暖かい政府にすることを検討してみましょう。
「人に暖かい」ということは公共サービスについて、現状以上のものを提供するということでしょう。ということは、タスクは増やすが、組織は効率的にすることで、職員数を減らすということです。

んな無茶な!って感じですが、まじめに検討します。

まず、中央官庁で現在導入の試験がされている成果主義ですが(これは企業では既に一部反省されているやり方ですけど)、これは上司が気に入ったか否か評定になる懸念があります。要するに、結果を出したというファクトで測れないんです。

何でかっていうと、これまた暴露しなくて良いことを暴露しているようですが、公務員という組織は体面を重んじます。間違いを認めません。基本的に。

自分がやったことは絶対正しいんだっていう前提で進めます。まぁこれは批判されて当然ですが、国民のためにサービスを提供している立場として、そのようにせざるを得ない部分もあるんだろうと思います。

問題は、そのような組織では、成果主義は不可能だということです。失敗施策であっても失敗と認める訳にいかない組織で、成果主義は無理です。

また、そもそも公共施策と成果主義は相性が悪いですし、一般的にも成果主義っていうのはとても難しいシステムです。企業でも成果主義の取りやめは多いです。

このように成果主義のような給与面でのシステム変更は、うまくいきそうにありません。


そこで、考え付くのが、人事制度そのものを変えて、ジョブ・ポスティング・システム的なものを作る方法です。これによって、給与面での変更なしに、モチベーションは上がるでしょう。

ただし、これは非常に空想的な話です。現在の人事システムでこのような自由な形が可能とは思えません。

無理やり導入しようとすれば、恐らく、建前と実際を使い分けて、「建前の人員要求」と「実際の自由な配置の組み換え」とするしかないでしょうが、このようなことが許されるとも思いません。

とすると、抜本的にシステムを変えることになりますが、大きな組織でシステムを変えることの難しさは、大企業で働いたことのある方であれば、容易にわかるでしょう。

まして、政府組織ですよ。。。無茶です。

このように、効率の向上には、大規模な組織改変が必要に見えますし、そのような組織改変は極めて難しいものです。


という訳で、このような問題を孕んでいるために、民主党の主張する効率的な政府は、確かに理想のひとつではありますが、実現性が極めて低いように思います。


そこで天秤に掛けたときに、効率的な政府を作る努力に較べて、小さな政府を作って、民間に出来るだけ委譲する方がシンプルで現実的だと思うわけです。

(ただし、公共投資の配分を見直すという民主党の意見には全面的に賛成ですが)

小さな政府にすることによって、非効率的な組織は最小限になり、民間企業の委譲された部分は、市場原理により自然と効率的になります。

中央官庁という非営利組織の効率の向上よりも、非営利組織の最小化が現実的であるという理由によって、僕は小さな政府を支持します。


宜しければ、お願いします>>ランキング

posted by 脳内ソフトウェア更新中 at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/14003165
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。